設立趣意

 XMLが出現して早10年、システム間の共通データフォーマットとしての地位は確立したといえるが、企業コンテンツの統合と再利用というXMLの真価をあまねく享受しているとは未だ言えない状況である。

 経済活動がグローバル化することで製品やサービスを提供する企業活動も今後ますますグローバル化していく。従って、それらに付随する文書の生産活動もグローバルな観点からその生産性をとらえていく必要がある。

 経済活動では新しい製品、サービスの開始に伴い膨大な文書が生産されるので、文書生産活動の生産性を高め、また作成に要する期間を短くすることは重要な課題である。

 この課題に応えるには、文書をシステム的に作成することが必要である。付随する文書は多くの場合、既存の文書に多少の変更を加える形で作られるので、既存文書の再利用と多重活用を効率的に行なうドキュメント・システムの構築が望まれる。

 このためには文書をコンポーネント化することが重要である。しかし、文書をコンポーネント化にして再利用するのは言うのは簡単であるが実現は難しい。

 XML技術は、ドキュメントのコンポーネント化と再利用のために有効であるとされてきた。ところが実際に提唱され普及しているXMLのドキュメント構造標準であるDocBookやOpenXMLなどは、大きな一枚岩の文書構造でありコンポーネント化を志向したものではない。

 DITA(Darwin Information Typing Architecture)はトピック単位でドキュメントを作成し、マップを使ってこれを組み立てるという点、ドキュメントのコンポーネント化とシステム化を志向する標準仕様である。

 DITAは、IBMが社内利用として開発したものであるが、2005年にOASIS(Organization for the Advancement of Structured Information Standards)標準として承認された。既に欧米のユーザの間ではDITAの利用が進んでいる。

 DITAを実際に活用するには、その思想を理解し、文書をコンポーネント化するノウハウ、また、文書構造を必要に応じて専門化するノウハウが必須である。こうした文書制作システム構築の上流工程のコンサルティング・設計という段階において、日本は欧米に大きく遅れをとっているのが実情である。

 さらにDITAの思想を追求すると、単にドキュメント制作にとどまらず、業務全般にわたるプロセス改革が求められる。すなわち設計、製造という上流からドキュメント制作、各メディアへのパブリッシングという下流まで企業コンテンツをつなげる、組織横断的な業務改革を伴うものである。DITAの導入はそれを前提とし、その上で真価を発揮する。

 今後の文書制作システムの基盤となるであろうDITAについて、日本の関係者の英知と経験を集めるための活動母体としてDITAコンソーシアムジャパンを設立する。DITAコンソーシアムジャパンは日本にDITAを普及し、DITAのノウハウの蓄積をはかり、さらに国際的にDITAに関する発言・発信を行なうことを通じて、企業におけるコンテンツ制作のリエンジニアを主導し、もって日本の産業界に貢献していきたい。

◆ 目的

  • DITAの啓蒙活動、普及促進活動を共同で行い、市場を形成するため、DITAステイクホルダ各社協業による日本におけるDITA勢力を形成すること。
  • 内外のDITA技術情報、事例情報を集積し、ユーザへの情報提供を統一的に行なうことで市場の拡大をもたらすこと。
  • OASISや内外の関連団体と連携を行い、DITA標準仕様への日本側要求の提言、フィードバックを行うこと。
  • DITA技術の標準化、最適化を研究し、DITA技術者を育成し、DITA技術の振興をはかること。
  • ユーザ、ベンダー、サービス各社の知見と人脈を交換して、市場の活性化をはかること。

◆ 活動内容

  • 理事会企業による運営方針の決定と執行
  • 専門部会による研究と成果の発表と集積
  • DITA関連懇談会・シンポジウムの開催
  • Webサイトの運営
  • DITA関連セミナーの主催
  • 内外の関連団体との協業

◆ 発起各社や参加各社のメリット

  • DITA技術にコミットする一員としての信用度とイニシアティブ
  • DITA技術全般、ノウハウの取得
  • DITA利用形態、要求要件のモニターリングと自社製品、サービスへの反映
  • DITA潜在ユーザの発掘
  • 業界人脈、関連団体人脈の形成
  • 共同でプロモーション活動を行なうことで、1社だけではできない市場拡大の成果を得られる
  • DITA情報源の組織化により、先行して情報を入手できる

2008年11月 吉日

発起人(順不同)

アンテナハウス株式会社

株式会社ジャストシステム

日本アイ・ビー・エム株式会社

富士ゼロックス株式会社